お守り研究家が語る「パワスポとの付き合い方」

 

運気アップを願い、正月に初詣や、遠路はるばる有名神社に参拝する人も多いはず。だが実際のところ、我々はパワースポットの“ご利益”の有無や正体をよくわかっていない。IT企業を経営し、「お守り研究家」でもある中津川昌弘氏は、パワスポのご利益をこう振り返る。

「会社を設立した頃から神社に通いだして、’05年に地元の麻布神社の氏子になりました。振り返ってみると社会情勢の変化にも、リーマンショックや東日本大震災にも会社はまったくといっていいほど影響を受けず、トラブルもない。ほかの同業者は結構、ダメージを受けていたにもかかわらずです。それが効果といえるかわかりませんが、はっきりしているのは我が家では三峯神社で節分のごもっとも様を頂いた年に必ず妻が妊娠しているということ(笑)」

 パワスポの“人知を超えた力”も肯定しつつ、うまく距離を取る中津川氏。

「経験的には神社に行くと仕事がうまくまとまることが多いです。でも、最初からうまくいかないと思った交渉は神社に行ってもダメでした。神社に行くことで、大難が小難で済めばかなりラッキーだと思います。神様はいて、何かしら人間に影響を与えていると思いますが、特定の人間に関与して幸福をもたらしたり、罰を与えたりするような存在でもないと思います」

 パワスポに過剰な期待をしすぎないことが、平凡な幸せを維持する一番の方法なのかもしれない。

【中津川昌弘氏】
お守り研究家として各種媒体に出演、寄稿。500個のお守りを所持。近著に『お守りライフ―神仏と共に生きるライフスタイル』(ムスヒ出版)

取材・文・撮影/SPA!パワースポット研究所 写真/DK OGAWA アンケート協力/リサーチプラス